ブロックチェーンを使った作品の著作権保護とは何か?

アメリカのKodakが「コダックコイン」という暗号通貨を発行するというニュースを見た。これによってKodakの株価が上がったらしい。コダックコインの目的は「写真家の作品の保存や権利関係の処理・販売」ということらしいが詳しい話はまだのようだ。

そもそもブロックチェーンを使用して作品の権利を保護するということはどういうことなのだろうか?先行事例の「binded」や「poex」などのサービスからその仕組みを読み解く。

作品の保護は、ブロックチェーンの性質のひとつである記録された取引記録(トランザクション)は改竄が極めて困難であるということ利用して行う。

例えば仕組みにビットコインを利用する場合、「OP_RETURN」という機能がある。この機能を使うことでブロックチェーンの取引記録に40bytesまでの任意のデータを記録させることができる。これはコインを送る相手を指定せずに記録させることができるがブロックチェーンに取り込む場合に小額の手数料がかかる。
この機能を利用して作品の存在証明をブロックチェーンに記録させるわけである。

作品自体のデータを書き込むには40bytesでは小さすぎる。そこで、例えば写真なら、画像ファイルからハッシュ値を生成して、そのハッシュ値を埋め込むことになる。

この機能を利用することにより、ブロックチェーンに作品の作者や日時を記録させることで、改竄できない作品の存在証明ができあがる。
その作家がその日時にその作品を登録したということが証明できるわけである。このような方法は「proof of existence」と呼ばれる。

作家はまだ世に公開する前の作品の存在証明を記録しておくことでその登録日時に確かに自分が作ったと証明できるわけである。つまり、自分がこの世で最も先にその作品を作ったということの証明である。

注意しなければいけないのは、作品の発表後は他者に先に登録されてしまう可能性もありえるので、あくまで作品を世の中に公開する前に登録させないと意味を成さなくなってしまうかもしれない。

実は、著作権自体は著作物を創作した時点で発生している。

著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し,その取得のためになんら手続を必要としません。ここが,登録することによって権利の発生する特許権や実用新案権などの工業所有権と異なる点です。著作権法上の登録制度は,権利取得のためのものではありません。また,登録は著作権の移転の要件ではなく,登録をしなくても移転の効力は有効に生じます。

ブロックチェーンによるこのようなサービスは創作物が存在したことを証明する、公証役場のような補助的な役割といえる。

このようなサービスが面白いのは、存在証明機能だけではなく、登録された著作物のアーカイブを保有しネット上を監視することで、権利を侵害している使用者に使用料金の請求を行ったり、作品の販売を行ったりという周辺のサービスを展開することでビジネス化できるかもしれないという点である。